はじめに†人工衛星に限らず、人間の手のとどかない場所にある機器を制御し、結果を得るために「通信」はとても大切です。人工衛星・探査機では電波を使った「無線通信」になります。 基礎実験 高周波信号の発生(発振)†無線技術はまず「安定な信号を作り出す」ことからはじまります。 超高速オシロスコープが来たときの実験。基板が2.54ミリピッチなのでコイルもかなり小さい。 コイルを頑丈にするためにU字型に曲げただけのものにしてみた。・・・Qが低くて安定せず。 メーカー製に習おうってわけでTVチューナ(ジャンク)を改造してSGにしてみた。
中に入っていたPLLの資料があったのでPICでコントロール。かなり安定。 無線というよりワイヤレスマイク級で実験†某TV番組にも出た「10センチ級モックアップ」の中身のうち1枚。基本はワイヤレスマイク回路+FMラジオIC。 10センチ角モックアップに入れて実験してみたワイヤレスマイク級の送受信基板。
まだまだ実用の域には遠い。 信号発生器とその仲間†高周波回路の実験にとって標準信号の発生は大きな課題。仮の本業の関係でとても優秀な測定器を借りることはできるけれど期限がきまっているのが難点。測定器の値段は分譲の団地ぐらいの金額が普通なのでそうそう買えない・・・ クロックジェネレータICでSGに使えるかな?ってのがあったので実験。どうやらECLなので製造中止・・・電気は食うし、なにより水晶振動子の指定が「直列共振型」って・・・そんなの手に入らん。普通の並列共振では安定した発振ができず、外部から信号を与えてもイマイチでした。 アナログデバイセス社のDDS、AD9834を使ったSG兼周波数ドメインアナライザ。正弦波出力20Hzから15MHzまで1Hzステップ、アジレントのカウンタで校正してみてもだいたいあってた。 やっぱり広範囲なSGが欲しくなって実験・・・したもののVFOの1つでどういうわけか「安定度が高く、周波数可変範囲が広く、出力特性も平坦」というチャンピオンデータが出てしまったので解析していたのだが・・・原因不明。それでは製品として使えないので途中で断念。 受信機関連の実験†衛星用の受信機は「衛星側」と「地上側」でおおきく違うのは環境。衛星側では真空の中、高温、低温、そして打ち上げ時の振動、過大入力で壊れないことなどが必須条件。地上側は高感度(低雑音)であることが強く要求されます。 受信用ICとして従来はNXP社のSA605を使っていたのだが、3V動作ができないためいろいろ探していたら新日本無線のNJM2552というICを発見して実験。電源電圧が2.7Vまで安定して動作するという利点は大きい。FMだけでなくAMも受信できるため、BFOを用意すればSSBやCWも受信できるぞ、というわけで50MHz帯の受信機にしてみたもの。VFOはディスクリート、「だいたい安定した」ものを作れるようになってきた。PLLはアナログデバイセスADF4001、コントローラはPIC18。 435MHzから437MHzのアマチュア衛星を受信するためのコンバータ実験。ローカルオシレータはディスクリート、PLLは富士通のMB15E03L。ループフィルタに注意すれば安定して使える。 最近の実験†はんだづけ失敗の例。このICは400MHzのDDSで、120MHzぐらいまでの正弦波を出せるというすばらしいICなのだが・・・ICの底面にもはんだづけパッドがあり、ICの下で短絡。 ほぼ究極のVFO内臓PLL、アナログデバイセス社ADF4350の実験(まだ途中)。 UHF用ダイオードを使った検波型パワーメータ。パワーといってもmWレベル。
これがえらい失敗の元になった。単に検波してるだけだから周波数が高くなれば効率が落ちて出力が低下するはずと思い込んでいたら大間違い。500MHzと3GHzでは3GHzのほうが大きな値が出てくるという事態に。トラッキングジェネレータ付のスペアナで精密に測定したら「そういうもの」だと判明。とりあえず測定器は正確なのが必須だと思い知った。 無線、とくにデジタル無線通信では伝達試験には「ビットエラー」がやたら重要。アナログの周波数応答や位相特性だけではわからない事象があるため、擬似乱数信号を作ってエラーレートを調べなければならない。そのための信号発生器。後にケースに入れてエラーレートカウントの機能も搭載予定。 アンテナや高周波回路の接続においては50Ω終端というのが標準。そのエネルギー伝達を測定するためのツールがリターンロスブリッジ。とりあえず試作してみたけど、アイソレーション取るのにノウハウがたくさんあるのでこれまた継続試験。 |