* ニコ技と事業との接点について それぞれの違う方針が見られる例として、3つを上げましたそれぞれの狙っていたことをおききしたいとおもいます。 [siriP:空飛ぶパンツ] 「楽しく生きていきたい」、というのがゴールですね。楽しいことでお金が作れたら素晴らしいと思う。 はじめアニメの再現で群舞させる事が楽しいと思い、「空飛ぶパンツ」を作り動画を投稿しました、 そして動画のコメントでも早い時期から「みんなで飛ばそう」というのがありました。 この「みんなで」というのは常に意識してますね。OSHみたいな活動とか。 そこにクエスチョナーズの藤岡さんから商品化の企画があり、それに賛同しました。 例えば作り方などをblogで公開したり、オープンソースハードウェアとして公開しても みんなでやると言う事はできるかもしれません。しかし、現状商品としてキット化するほうが 参加者のハードルはぐっと下がる。それで「みんなで」楽しめる様になる。お金もできるといいだけど、それはとりあえずなくてもいいし。 ただ、理想としては、パーソナルファブリケーション。 つまり個人が公開されたものをダウンロードすれば製品が作れてしまう、工場。例えば個人向けの3Dプリンタなどですね。 [hem:somesat] SOMESATが法人格の取得に動き始めたのは、 法人格がJAXA相乗り衛星の応募に不可欠なのと、口座が欲しかったのの2点なんですよね また、開発の後半ではみんなであつまる作業所のような所も必要になり、そういった点で法人格があると便利。 営利でもないし、NPOでもない、それくらいのふらふらしたニーズを集めて、一部の人にとって世の中を便利にしたいとき、法人がもっと積極的に使われてほしい、とは事務屋としては思います。 実際ふらふらと集まれる作業所が欲しいという話自体は、SOMESATに限らずとも出てきていますし(PAOさんとか) 上で述べた事以外で法人で嬉しい事を上げると? 一言で言うと「仲間意識」。サークルでも同じといえば同じだが、メンバーとしてその組織を「離れない」事を明言するメンバーがいるメリットは確かにあります。 [tap:御社] 〜まだ〜 * 上の活動の中から見えてきた将来の可能性 [siriP:空飛ぶパンツ] 空飛ぶパンツは、商品としてはまあトントンで、大きな利益にまではならなかったようなのであまり胸を張って商品化成功とは言えないんだけど、 音楽産業と同じで、嗜好が多様化してるのでこのさき大ヒットは出にくいと思う。 だからニッチな製品を小ヒットさせるだけで面白おかしく生きていける世界になってほしい。 例えば出版社のシステムは小ヒットでも作家が生きていける例です。 たまにベストセラーが出るから、売れない作家もやしなっていける。書籍でも音楽でも、出版社というのは言われるほど悪い組織じゃないです。むしろその逆で、ニッチな作品を作る土壌になっている。 それを出版社だけじゃなく、社会的に負担していけるようなシステムがあるといいんですけどね。 空飛ぶパンツは利益的にはトントンの小ヒットといえます。出版社は多数の「トントン」と、たまの「大ヒット」を均してやっていくシステムですから。その「均す」というところを、社会の仕組みとして持てればと思います。 そうすれば、楽しい事を生業にしやすくて、多様化していく傾向にも対応できる社会になると思います。 [hem:somesat] 技術が文化にコミットしている面があり、そこに可能性を感じる。 技術が文化にコミットするとは SOMESATは「衛星打ち上げたい⇒でもJAXAじゃないと無理よね⇒お茶の間開発できる!すごい!」という流れの上にあります そういう風に、普段は遠い世界にあって、自分でやってみようはおろか、自分でやってみたいという願望さえ遠くの存在になってしまいがちなものが、SOMESATやニコ技によって、願望がより近くの存在になっている、つまり自分でもやってみたいと思えるようになってきている。そういった日常の願望に持ってくるということが、「文化」へのコミット。 個人的なな感想ですが、SOMESAT−PVは一つのブレイクスルーで、「技術」一辺倒の中から「文化」が孵化した感がありました。 [tap:御社] 〜まだ〜 仕事でも技術者をやりながら、技術部をやるモチベーションは? [siriP:空飛ぶパンツ] 仕事じゃミクは作れないですからねw もともと技術好きで、自分のスキルがあればこんなのができる、と思うんじゃないでしょうか そしてニコ動という舞台があれば、セルフプロデュースする喜びが得られる。 セルフプロデュースというのは、自分で企画を立ててみんなに見せることです。 とにかく、このセルフプロデュースで有ることが楽しい。 だからニコ技での工作は、「人に見せる」「いかに受けるか」に重点がくる。 今までの電子工作は人に見せることが主目的ではなく、自分の為の工作でした。 自分のための工作と、人に見せる工作で何が違うか、というと 後者は、ウケたらさらに大きな輪になるということです。開発競争が始まったり、イベントになったり。 そのへんでやみつきになった、というのがニコ技の人たちじゃないですか 他にも音楽のDTMをやっている人でも、作品をUPするサイトに乗せても2桁再生どまりだったんですが、 それがニコ動で初音ミク使ったら一万再生になってびっくり、俄然やる気出た、というのと同じかも。 この初音ミクというを使うという事がこの例での「輪」ですね。 こういう体験を通して見せることや企画する(=プロデュースする)喜びに目覚める。 [hem:somesat] 事務方ですが、仕事の分野で知識はありながらできない分野だったので要は自分のチャレンジに使わせてもらってる部分でもあります。例えば、変更登記じゃなくて設立からやらせろ的な あと、仕事の予行演習的な面もありますね。実践ノウハウを積むことができますから、「これがあるとここで詰まるから日程組み換え」とか判断できます ただ、逆に、年末など仕事とSOMESATが同時に詰む時があったりもするんですけどね。 [tap:御社] * 最近のイベントラッシュについてニコ技だけじゃなくMakeなどもあったりして、結構ニーズあるのかなぁ?どう思われます? [siriP:空飛ぶパンツ] イベントラッシュは電子工作ブームの波及かもしれないですね。 その電子工作ブームに貢献したのは、ArduinoとMakeやオライリーの書籍が大きいけど、 少しは先ほど説明した見せる場や、モチベーションとしてのニコ技の貢献もあると思う。 [hem:somesat] っきの願望の話に近いんですが、そういう「願望に即したものを作れる」事自体が忘れられて久しい感じがあります。そんな中でイベントを観にに来て、色んな作品を身近に観る事で「次ぎどうなるんだろう、私にもできるかな?」といった願望おきて、その願望が起きる事自体が新鮮に受け止められてる気がします。 すでにある願望を達成するんじゃなくて、新たな願望に気が付くだけでも嬉しい。そういったうれしさを求めてきている。 逆に出展側としては、見せどころのなかったものを見せられる事と、他の作者にその場で会える事の強みは圧倒的ですね。その人のどの部分がこの作品なのか、その人は今後何を見せてくれそうなのか、そこらへんの興味があります。 [tap:御社] * 将来の展望or願望 [siriP:空飛ぶパンツ] 冒頭に言ったように、 「楽しく生きていきたい」、というのがゴールですね。 その為にニッチな製品を小ヒットさせるだけで面白おかしく生きていける世界になってほしい。 [hem:somesat] もっとSOMESATみたいな繋がりが出来て、仕事でも家庭でもない、もう一つの分野(法人)が認められていく社会にしたいですね。 今までだったら会社や業界の研究開発、家庭では完成品の消費にとどまっていた部分なんですが、 そこに自分の一手間を加えてやっていけるのが当たり前のような時代になって、 そういう事をしたいという願望に「なら○○に行ってみれば」と言える居場所を提供できればなぁと。 [tap:御社]