NT東京 安全な展示のためのガイドライン

NT東京2024 への出展にあたり、必ずお読みください。

ガイドラインの趣旨

NT東京は、作ったものならジャンルを問わず自由に展示することができるイベントです。どのようなものをどう展示するかは基本的に出展者の判断に委ねられている一方、不安全な展示が原因となって、火災等を発生させたり、人を死傷させるといったことは絶対にあってはなりません。「安全な展示のためのガイドライン」(以下、「ガイドライン」と言います。)は、展示物に起因する事故を未然に防止するために、禁止事項を明示するとともに、出展者自身が実施する安全対策の指針となるよう策定したものです。NT東京は、小さなお子様や、工作経験がない人たちも多く来場するイベントであり、どなたでもが安全かつ安心して立ち寄れる場であり続けなければなりません。このような趣旨を理解いただいたうえで、このガイドラインを適切に活用してください。

安全に対する考え方

ガイドラインでは「安全」を「許容できないリスクがない状態」と捉え、すべての展示がこの状態を達成することを目標としています。どのような展示であっても、人に危害を及ぼすリスクを完全になくすことはできません。しかし、イベントの趣旨や来場者の特性からみて、リスクの大きさが許容可能ならば、その展示は安全なものだと捉えることができます。リスクは、「危害の起こりやすさ」と「危害のひどさ」の組み合わせによってその大きさを評価します。危険な要素が予め排除されており、誤った扱いがあったとしても大事故にならないよう配慮された展示はリスクが小さい言えるのに対して、そもそもの内容が危険であり(=危害が起こりやすい)、もしも取り扱いを誤ると大けがをする(=危害がひどい)展示は、リスクが大きいということになります。そして、後者のようにリスクの大きな展示が許容できないことは、感覚として合意いただけると思います。

ガイドラインの要求レベル

上記の考え方を原則としつつ、個々の展示についてリスクの大きさをどのように評価し、なにをもって許容可能と判断するかの基準を、一律に示すことは困難です。このため、評価と判断は出展者の自主的なチェックに委ねることとして、このガイドラインでは、「考慮事項」および「禁止事項」の二つの要求レベルを定めることとしました。「考慮事項」では、出展者によるリスクの評価にあたって考慮すべきポイントや、一般的な注意喚起を列挙しています。さらに、すべての展示が必ず適合しなければならない規則として「禁止事項」を定めています。「禁止事項」は、リスクの度合いが特に大きく、いかなる場合でも許容できない項目を列挙したものです。禁止事項に一つでも該当する展示は、行うことができません。

禁止事項

いかなる場合でも許容できない内容です。禁止事項に一つでも該当する展示は、行うことができません。

裸火の使用

裸火とは、炎のほか、火花(電気の放電により発生させるもの)、電熱器であって、発熱した発熱部が露出しているものや、発熱部の表面温度がおおむね400℃以上のものも含みます。なお、展示会場での裸火の使用は消防法令により禁止されています。

危険物品の持ち込み

危険物品とは、消防法で定める危険物(ガソリン等)、可燃性ガス(LPガス等)、可燃性液体類・可燃性固体類、火薬類(花火等)の持ち込み。ただし、消毒または清掃に使う少量のアルコール、パラフィンからなる製作物を展示を目的として持ち込む場合は除きます。なお、展示会場への危険物品の持ち込みは消防法令により禁止されています。

高温の液体の使用

容器が転倒するなどして内容物が漏出あるいは飛散した場合に、熱傷をもたらしうる温度(おおむね50℃以上)の液体の使用。

高い電圧の露出

人が感電しうる電圧(おおむね40V以上)充電部が、容易に触れられる状態で露出しているもの。

高い圧力の使用

容器の破裂や噴出により負傷をもたらしうる高い圧力(おおむね0.1MPa [gage]以上)の使用。

腐食性物質の使用

酸・アルカリ等、生命体の組織と接触すると、化学反応によって損傷をもたらしうる物質の使用。

高速回転体の露出

人体との接触や部品の飛散によって負傷をもたらしうる高速回転体が、容易に触れられる状態で露出しているもの。

高出力レーザーの使用

JIS C 6802でクラス1以外のもの。ただし、無改造の光学ディスクドライブなど安全な状態で使用されている製品を除きます。

※ 展示会場での裸火の使用および危険物品の持ち込みは消防法令により禁止されています。

考慮事項

リスクを評価するうえで考慮すべきポイントです。特に体験型の展示(来場者が、展示物を実際に触る・乗る・着用するなどの使い方をする展示)については、展示物の不具合があった場合には、体験者の負傷に直結するリスクが高いと考えられます。

発熱・温度上昇

人体が触れる部分が高温(おおむね50℃以上)にならないこと。

シャープエッジ

人体に触れる部分(積極的に触れることは意図していなくても容易に触れられる部分を含む)に、板金の端面など、負傷しうるような鋭利な金属物等がないこと。ある場合は、該当部分をR取りする、テープを貼るなどの対策を取る。

電気絶縁

商用電源から給電を受ける展示物は、電源が、商用電源とは絶縁されていること(ACアダプタや複巻変圧器などを使って降圧すれば絶縁されているとみなす)。また、漏洩電流にも注意する。

重量物

展示物が重い場合は、落下させた場合などに体験者が負傷しないよう注意する。体験者の体格も考慮すること(たとえば子供には持たせないなど)。

転倒

人が展示物の上に乗るような体験は、展示物からの落下や転倒、また展示物自体の転倒による負傷に対して注意する(たとえば体験時に一声かけるなど)。特に、床の状態と接地面の材質を考慮し、非常に滑りやすい状態の場合には、滑って転倒することがある。


Last-modified: 2024-07-20 (土) 14:14:27